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放射線治療 radiotherapy

放射線治療のご紹介

診療内容

がん治療には⓵手術、⓶化学療法、⓷放射線治療の3本柱に加え、近年では⓸免疫療法も加わり、急速な進歩を遂げています。我が国では全がん患者さんの25%-30%程度が放射線治療を受けています、米国やドイツなどの欧米の先進国では全がん患者さんの50%-60%程度が放射線治療を受けています。

放射線治療の適応は大部分ががんですが、その適応は脳腫瘍、頭頚部がん、食道がん、肺がん、乳がん、前立腺がん、膀胱がん、子宮がん、悪性リンパ腫、皮膚がんなど多岐にわたっています。

また、がんに伴う症状を改善する緩和照射についても放射線治療は広く使用されています。

放射線治療はコンピューターテクノロジーの進歩の恩恵を受けて急激な進歩を遂げています。
過去の放射線治療はX線画像を撮影した後フィルム上に照射野を設定し、それに合わせて鉛のブロックを置くというものでした。しかし、現在放射線治療は⓵放射線治療計画、⓶放射線治療技術とも大きな進歩を遂げています。

治療計画
  1. 1放射線治療計画に関してはCT画像を撮影した後放射線治療計画装置に取り込み、CT画像をもとに3次元的な立体構造を踏まえて放射線治療計画を行っています。これよりがんに放射線を集中させるとともに、正常臓器への放射線照射を避けるような照射を行っています。
  2. 2放射線治療技術に関しては高精度放射線治療が可能となっています。直線加速器(リニアック)を用いてがんの形状に極力一致させた照射を行う3次元原体照射が基本となっています。
    また、a.照射前にCTを撮影して位置を修正した後照射を行う画像誘導放射線治療、b.小さな腫瘍に多方向より大線量を照射する定位放射線治療、c.病変に線量を集中させるとともに周囲正常臓器の線量を極力軽減する強度変調放射線治療を行っています。また、当院では放射性同位元素を病変の近傍に留置して大線量を照射する小線源治療を主に子宮頸がんに対して行っています。
  • 強度変調放射線治療
    強度変調放射線治療
  • 定位放射線治療
    定位放射線治療
  • 定位放射線治療
    定位放射線治療

診療機器

放射線治療計画用CT:2台

直線加速器(リニアック):2台

・Elekta社製 Synergy 
・Cannon medical system社製 PRIMUS

小線源装置:1台

・マイクロセレクトロン HDR(192Ir)

放射線治療計画装置:8台

・XIO:2台
・Pinnacle:5台
・Oncentra Brachy:1台

RIS:13台

・富士フイルム製 治療RIS

診療体制

4名の放射線治療医、8名の診療放射線技師、2名の医学物理士、2名の看護師、3名の事務員により診療を行っています。

放射線治療分野研修について

2020.04より国立がん研究センター東病院から中村直樹医師が放射線治療部門教授として赴任し、新体制が始まりました。放射線治療専門医3名が指導医となり指導を行います。放射線治療専門医ごとに専門分野を定めており、より専門性を高めた指導ができるように心がけています。

⓵研修について

放射線治療に関する倫理的内容、物理学的内容、生物学的内容について最初に指導を行います。また、各悪性腫瘍に対してa.放射線治療の適応、b.診察(身体所見、喉頭鏡など)、c.採血項目、d.画像診断と病期診断、e.化学療法、免疫療法、緩和医療との併用、f.放射線治療計画、g.治療終了後の経過観察などについて指導を行います。指導時にはガイドラインや教科書に加え種々の英語論文のトピックスや先端の内容も織り込みます。また、これらの内容をまとめたテキストを準備しています。画像診断は放射線治療を行う上で必須の技術であるため画像診断をローテーションし、全分野について修練をしていただきます。また、臨床腫瘍学の観点から放射線治療の適応を判断することができるような放射線治療医の育成を心がけています。

⓶研究について

・現在緩和医療を主体として下記の研究を行っています。研究に関してa.倫理的内容、b.研究の目的、c.研究デザイン、d.統計手法、e.論文の書き方などについても指導を行います。

・転移性骨腫瘍に対する放射線治療の多施設共同前向き観察研究

・病理学的 N2 非小細胞肺癌に対する術後放射線治療に関する ランダム化比較第 III 相試験(JCOG1916試験)

・Borderline Resectable 膵癌を対象とした術前ゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法と術前S−1併用放射線療法のランダム化比較試験

・骨転移キャンサーボードの実態に関する多施設共同観察研究 

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