メインビジュアル
MENU

骨セメント注入治療 bone

経皮的椎体形成術:局所麻酔による骨セメント注入治療
Percutaneous Vertebroplasty(PVP)

脊椎圧迫骨折とは

脊椎圧迫骨折とは、背骨(脊椎)の中の椎体という骨の部分がつぶれた状態になることをいいます。
原因としては、高齢者に見られる骨粗しょう症や、転倒、交通事故などの外傷、あるいはがんの転移などが挙げられます。
圧迫骨折が起こると強い痛みが出現し、数カ月から数年間に渡ってその痛みに悩まされることが少なくありません。
従来の治療法として、コルセット使用による安静と鎮痛剤の投与、外科手術などが行われます。がんの転移による場合は、放射線治療も行われます。

経皮的椎体形成術

経皮的椎体形成術は、脊椎圧迫骨折の痛みを軽減する除痛を目的とした新しい治療法であり、1980年代後半よりヨーロッパを中心に行われるようになりました。
1990年代後半より世界的にその有効性が認められ、97年に日本に導入されました。
当施設でも2002年6月から開始しております。

 

 

治療手技

経皮的椎体形成術(Percutaneous vertebroplasty : PVP)の方法は、まず患者様はうつ伏せの状態で検査台に寝ていただきます。
続いて、病巣の皮膚、皮下組織に局所麻酔を行い、潰れた椎体の中に針を刺していきます。

 

  • PVP画像
  • PVP画像
  • PVP画像

治療時間・入院期間

治療手技の所用時間は、1椎体あたり30分間程度であり、開始から約60分~90分間で終了いたします。
入院日数も、特に合併症などが発生しない限りは、4日から7日間程度と短期間ですみます。

予想される有害事象(副作用)

すべての患者様に出現するというわけではありませんが、出現する可能性のある副作用について説明いたします。

(1) 穿刺に伴うもの:穿刺部位周辺の血腫形成、一時的疼痛、膿瘍形成、敗血症などが挙げられます。
(2) 注入したセメント漏出に伴うもの:末梢神経障害、脊髄症状(膀胱直腸障害、下肢麻痺)、背部痛や腰痛の悪化、肺塞栓の出現(低酸素血症、呼吸困難)があります。
(3) セメント製剤によるもの:一過性血圧低下、アレルギーショック、心機能の低下、不整脈の発生などがあります。

これらの副作用に対しては、予め予想がつく場合には、予防的な処置を講じます。
しかし、治療中に出現した場合には、その副作用が可能な限り軽い症状で収まるように適切かつ最大限の対処を行います。
本治療によるすべての副作用を予測することはできませんが、必要と考えられる検査を適宜行い、適切な処置を行うことで対処していきます。

これまでの実績

骨セメント注入療法を施行した患者数は544例、1004椎体以上に達しており、全例で手技は成功し、95%の患者様に有効な除痛効果が得られています。
合併症に関しては、術後に一過性の発熱を一例で認めた以外、特に重篤な合併症は認めておりません。

骨セメント事業における当科独自の新しい穿刺概念の確立 Isocenter Puncture法(ISOP法)の開発

経皮的椎体形成術(骨セメント治療)の穿刺技術において、独自に開発した穿刺法により、精度の高い穿刺が可能となりました。
その結果、一椎体の骨セメント注入が一カ所(針1本)のみの穿刺で完遂できるようになりました。
多くの他施設では、通常一椎体につき二カ所(針2本)の穿刺を行っています。この方法の開発により、患者様および術者自身への被曝量低減、手技時間の短縮、コスト削減など、多大な利益がもたらされています。

「ISOP法」

本法は、X線透視下にて椎体のピンポイント穿刺を可能にする穿刺法であり、経皮的椎体形成術(骨セメント治療)をはじめ、椎体生検術などにも利用できる新しい概念に基づいた穿刺法です。 
血管撮影装置などのX線透視下などで行われる本治療は、C-armを回転させ、透視モニター上で椎弓根を介して椎体骨髄内に針を進めます。通常、一椎体の治療に際し、両側椎弓根からアプローチする針2本穿刺法が一般的ですが、椎体内の中央前方1/3の部位を正確に穿刺できれば、針1本での穿刺により十分な治療効果が挙げられます。
私どもが開発したIsocenter puncture法 (ISOP法) は、椎体内の穿刺到達部位(票的)を透視モニター上で標識化し、椎弓根を介してこれを狙いピンポイント穿刺を可能にする穿刺法です。

「原理と方法」

Isocenter(IC)とは、照射野の中心であり、C-arm透視装置の回転中心です。
従って、標的を透視モニター上で正側両方向からICに重ね合わせれば、照射野の中心は透視装置をどのような位置に回転させても常に標的に向かっています。
ISOP法では、透視モニター上にICマーカーを随時点灯させ、検査台を移動させて正側両方向の透視モニター上にて標的をICマーカーに重ね合わせます。
続いて透視を行いながらC-arm透視装置を横軸、ならびに頭尾側方向に回転させ、椎弓根の中央にICマーカーが重なる方向で通常の透視下穿刺を行います。この方法により理想的なピンポイントでの穿刺が可能となりました。

「症例」

骨粗鬆症性の多発性腰椎圧迫骨折に対する骨セメント治療。第12胸椎、第2、3、4腰椎の4椎体に対し、ISOP法による穿刺術を行った。
すべての椎体において標的である椎体内中央前1/3の部位に穿刺針が到達し、手技を完遂できた。全行程40分間と短時間で手技は終了した。 

外来診療体制

当院では、骨セメント専門外来を開設し、放射線科と整形外科(脊椎外科専門医)の連携診療体制を充実させ、術前術後における徹底した患者様のケアを行っています。

診察および家族相談は火曜日午前のみとなっており、完全予約制です。

TOP